タイトルはタイプミスではありません。9年前に「星空の守り人」のサブタイトルでニンテンドーDS用に発売されたナンバリング9作目の「ドラゴンクエスト」。「モンスターハンター・ポータブル3rd」に抜かれるまで日本で一番売れたサードパーティ製タイトルだった「ドラゴンクエストIX」です。

結局あのまま発売後もどっちの「ドラゴンクエストXI」を選ぶべきなのか決められず、せっかくDSに後方互換したnew3DSLLがあることですし、だったら未プレイの「ドラゴンクエストIX」を試してみて2画面の好さを感じられたら3DS版を・然ほど高い影像品質を求めない「ドラゴンクエスト」であっても我慢ならないようならPlayStation(PS)4版を選ぼうと中古のDSタイトルを購入した訳です。ちなみに¥1,480+税でした^^


さて、いくら然ほど高度な映像品質を求められない「ドラゴンクエスト」だとは申せ、9年も前に前()世代機向けに発売されたゲームソフトですからね。昨今のゲームと較べたら演出の古臭さを含めかなり見劣りするはずです。
さらに申しますとDSにとって次世代機である3DSでさえ(立体視表示を除けば←)PS2に対してさえ影像品質が劣ることは織り込み済みですから、初代PSPSPの間くらいあるいはゲームアーカイブスの感覚で臨むのが妥当かも知れません。

あれ以来長期にわたる放置で空っぽになっていた3DSを充電しながら挿し放しだった「モンスターハンター4」とROMカセットを挿し替えて起動すると、アップデートの告知が。よく見ると日付&時計もリセットされてますし、こりゃ初期設定からですね;←懸念したほど時間を要さずに済んだので助かりました…A^^;
改めて「ドラゴンクエストIX」のアイコンを探すと上画面ではROMカセットのCGが回転しています。3DSソフトだと3DCG化されたタイトルやキャラクターが立体視で表示されますが、DSソフトだとソレがROMカセットになるのですね。


そこから起動すると上画面には見慣れた「SQUARE ENIX」のロゴが・下画面には見慣れない「mobiclip」なるロゴが表示されます。←まぁそのロゴの横に「VIDEO CODEC」と記されてましたからすぐ判りましたけどねw
ちなみにmobiclipはもともとフランス製の影像コーデックだそうで、ゲームボーイアドバンスの頃から採用していた任天堂が傘下に収めているのだそうです(ソースはコチラ)。従ってPS系ばかり使っていると馴染みないのは理解できるのですが、私の持つ数少ない3DSソフトでも斯様な表示は見覚えがありません。
或いは3DS発売直後に任天堂傘下に収められたことで、mobiclipは3DSのミドルウエアに組込まれてしまったのかも知れませんね。←PSの場合でも、サード製のゲームエンジンなどは起動時に表示されますが、ミドルウエア含めSCEI製のツールまでは表示されませんから。
ちなみに「ドラゴンクエストIX」だと上記以外に表示されたロゴは開発委託先の「LEVEL5」のみで、つまり「ドラゴンクエストIX」には目立った社外ツールを採用されていないことが判ります。


調べてみるとmobiclipは低負荷&低bpsに強いらしく(←同bps映像の再生負荷がH.264の1/4だとか;)、モバイルに適した高品質なコーデックとして紹介されていて、3DSで確認した限りは確かに美麗でしたし立体視に対応できる汎用性も備えていることも解ってるのですが、その記事を読む前に「ドラゴンクエストIX」のオープニング影像を見てしまった私は開いた口を閉じられませんでした。

思い起こされるのは任天堂機以外で初めて(?)リリースされた「ドラゴンクエストVII」のオープニング。初代PSのプリレンダリング影像は現役機と較べるとかなり見劣りするものではありますが、でも「ドラゴンクエストVII」発売は初代PS末期(←つかPS2発売後!)で、技術が熟れ当時なりに見栄え良い映像に慣れていた環境に於いて同時期に発売されたソフトを引き合いに出すのが痴がましいほど&むしろ初代PSのロンチタイトルと比較してもなお見劣るのではないかと思えるほど陳腐な映像だったのです。
さすがにあそこまで酷くはありませんがでも「ドラゴンクエストIX」オープニングのプリレンダリング映像はmobiclipを以てしても苦しい台所事情(≒容量不足)が窺えるレベルでした。色情報を損ない&fpsを間引かねばならないほど圧縮された映像はまるでVCDを見ているようで、すぎやまこういち氏によるお馴染みのメロディーはせっかくのフルオーケストラなのにデジタルノイズが混ざっちゃってます。
このノイズは除去技術が進みまた潤沢なbpsを割り当てられるようになったことでもぅ何十年も前から耳にする機会がなく、私個人に限れば最初期にリリースされたCD-ROM2タイトル以来でした。こちらも懐かしいですね(←嫌味です)


ゲーム本編を起動するとまずキャラクタークリエイト。「ドラゴンクエスト」は伝統的に主人公の名をプレイヤーが決められるシステムを採られてますが、ナンバリングタイトルで主人公の性別を決められたのはファミコン時代の「ドラゴンクエストIII」「~IV」のみで、個性的な容姿を組み立てられるナンバリングは初だと思われます。
当時 携帯機を中心にマルチプレイタイトルが流行っていた世情を反映された「ドラゴンクエストIX」はシリーズ初のMORPGであり、複数の主人公が同じ画面に表示されるとなれば当然個性を持たせてやらないと誰が誰だか分らなくなってしまう訳で、さらに申しますと「ドラゴンクエストIX」は後々得ることになる装備によってもグラフィックが変わります。
「ドラゴンクエストIX」のキャラクタークリエイトは予め準備された部位を組み立てる方式で、各々の微調整まではできませんが、体格つか身長を選べる辺り同世代の「モンスターハンター・ポータブル3rd」よりは進んでますね。

キャラクタークリエイトを終えるとリアルタイムレンダリングによるプロローグが始まるのですが、やっぱりDSですね;←上述で覚悟しといたゲームアーカイブス(≒初代PS)並みつかセガサターンを思い起こされるレベルのCGで、BGMの音質はスーパーファミコンを彷彿とさせます。
この前作が「ドラゴンクエストVIII」だったことを思うと、映像品質に限れば明らかに退化してますね。DSの特長である2画面を活かそうと努力されてる箇所もありますが、基本は1画面のみで十分ですしそれよりむしろ2画面は演出の中心がどっち側なのか戸惑わされます;

プロローグが終わるといよいよゲームパートに入るのですが、驚いたことにより表現力が高い(←と思われる)上画面はマップ表示で、ゲーム表示は下画面です。

DSに於ける下画面の強味はタッチ操作できることですが、私の太い指ではCGが隠れてしまいますし・いちいちスタイラスを使うのも面倒なので、結局 通常のインターフェイスのみ使うことになります。←つかタッチ操作を求められるような場面はまだ経験ありません。
映像は一見するとフルポリゴン風ですが、町や村の人々などは拡大縮小されるもののスプライト的な2DCG(←「ドラゴンクエストVII」と同じ手法)にすることで賑やかさを演出しつつも負荷を抑える工夫を採られてます。
それとアナログパッドを使っていて違和感を覚えたことで気付けたのですが、DSにはアナログパッドがなかったのですね。「ドラゴンクエストIX」はアナログパッドでもキャラクターを操作できますが8方向に限られます。