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「GHOST IN THE SHELL」3D字幕版 [(ネタバレ注意) プレイ日記]

日本より1週間ほど早く公開された本国では散々な興行成績だそうですね。
その理由のひとつとして挙げられているのが、キャスティングで「whitewash(≒漂白)」されたためにバッシングが相次いだのだとか。
「whitewash」←何だソレ?と思ったら、要は本来有色人種であるべきキャラクターを白人の役者が演じている映画を指すスラングだそうで、本来 役をもらうはずだったマイノリティの機会を白人が奪う人種差別のことを指しているのだそうです。「GHOST IN THE SHELL」の場合、本来日本人(≦黄色人種)であるべき草薙素子少佐を白人女優のScarlett Johanssonが演じた(←黄色人を白人が演じたから漂白ってw)ことで差別論者が騒ぎ立てたと。

この批判に対してはハッキリ申し上げます。「作品をちゃんと最後まで見てないでしょw」と。

まずこの「GHOST IN THE SHELL(以下「ハリウッド版」)」もエンドロールで原作者として「SHIROW MASAMUNE」と表示されてましたが、私見として、同じ「攻殻機動隊」のなかでハリウッド版から最も遠いのが士郎正宗氏のコミック(以下「原作」)であり、押井守監督による「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(以下「押井版」)」を実写化した←と申しますより押井版をベースにTVアニメ版の要素を足して再構築されたと表現した方が適切な気がします。
原作ファン各位には申し訳ないですがカルト作品だった「攻殻機動隊」をメジャーに引き上げた功労者は押井版で、あの「MATRIX」に端を発した数多の模倣作は間違いなく押井版の影響を受けていると申せます(←内には今回のScarlett Johanssonが主演した「LUCY」なんて作品も含まれてたりしますw)。つまり国内外で認識されている最も有名な「攻殻機動隊」は押井版であり、「攻殻機動隊」が実写映画化されれば、多くの方が連想し意識するのは押井版のはずなのです。


その上で「見てないでしょw」に話を戻します。

なるべくネタバレを回避しながら申し上げますと、「攻殻機動隊」に登場する「少佐」はほぼ全身を義体化したサイボーグでハリウッド版もその設定を継いでますから、従ってその容貌はどんなに精巧であったとしても人造物ということです。骨格や筋肉や内臓さえも差替えられているのですから、もはや美容整形の域を逸してます。
増して「少佐」のように対テロ特務機関の現場エージェントともなれば本人はもとより家族も危険に晒される可能性がある訳で、テロリストから素性を隠す目的で変貌させられていることも充分に考えられます。その結果親兄弟とぜんぜん似てなかったり或いは国籍も判らなくなるほど変貌してたっておかしくないのです。

改めて申し上げますが、本作を「whitewash」と批判している人は本作を見ていないか、或いは見ていたとしたら敢えてその内容を無視しているとしか思えません。
むしろ、告知だけ見て「日本人役なら肌の黄色い演者を!」なんて主張する方がよっぽど差別的じゃないかと文句を言いたいです。
前にも同じような話がありましたけど、映画を批判するならちゃんと内容を見て本質を理解してから批判して欲しいものですね。


ただここまで叩かれたのには制作者側にも(好い意味で←)責任があって、「あの『攻殻機動隊』がハリウッドで実写化される」と宣伝し、漏れ伝わってくる撮影風景は(少佐が白人であることを除けば→)再現度が高く押井版を意識させるものばかり。そして劇場告知もまた押井版のどのシーンを再現したのかすぐ解るような映像ばかりで構成されていて、既に内容を識られている押井版が完全実写化されると受止められてしまったのでしょう。

従ってこの作品は公開される遥か前から「近未来の東京(香港風w)を舞台に日本人女性の姿した主人公が活躍する映画」と解釈され、ハリウッドで既に成功しているScarlett Johanssonがその髪を黒く染めて臨んでしまっために「whitewash」であると受止められてしまったのではないかと思われます。

でも結論を申し上げますと、ハリウッド版は決して押井版を完全実写化しただけの映画ではありません。風景や演出にオマージュ(「イノセンス」の看板や重要なシーンに「Avalon」為る固有名も出てきますし、例の犬も出てきますw)を捧げられているものの、押井版はもとより原作やTV版とも異なる作品です。
まずScarlett Johansson演じる主人公は「Milla <苗字は聞き漏らしました;>」という名で、ついでに申しますと本作の草薙素子は回想と墓石で登場します。本作ではMillaが義体化に至る経緯も断片的ながら描かれており、その断片的に描かれた経緯がストーリーに於いて重要な要素のひとつになっていました。

万に1つもない仮定としてもし私が本作の主演女優を選べる立場を得ていたとしたら、(時代を問わないなら若い頃の志緒美悦子水野美紀にオファーしたくなったかも知れませんがw←)現代の世界市場を狙う映画の主演としてScarlett Johanssonを筆頭候補に挙げていたはずです。
スタイルが良くてヌードも厭わぬ演技派でアクションも出来る美人女優となるとかなり限られており、Scarlett Johanssonはそんな稀有な一人なのです(「AEON FLUX」のCharlize Theronも捨て難いですけどね;)。

哲学的で難解だった押井版をハリウッド流に咀嚼し解り易いストーリーにすることで、「攻殻機動隊」をより万人向けに再構成されたのがハリウッド版であると申せます。
従ってあの難解さが好かったファンのなかには受け入れられない方も居られるかもしれませんが、押井版とは別の物語であることを許容すれば、決して叩かれるような作品ではないことを断言します。


でその感想なのですが、決して悪くはないのですが現段階ではまだ申し上げられません。
従って、今回の投稿はここで読み終えていただいて結構です。

それでも気になる方に感想を申し上げられない理由を申し上げますと、私がこのハリウッド版を見ている最中から既に、本作に限れば原語+字幕版ではなく日本語吹替版で見た方が好かったんだろうなと思ってしまったからで、吹替版を見てから感想を述べたいためです。


吹替えによって生じる違和感を嫌う私は常に原語版を求めており、今回は(3D上映されているのが吹替版ばかりだったこともあって→)わざわざ高額なIMAX上映版を見に行ったのですが、このハリウッド版に限ればむしろ原語版のほうが違和感があるのです。
そりゃ超一流の役者が演じているのですから演技は巧く、そこに違和感はありません。ですが、本作品では「総理と話してきた/会ってきた」と発言されていることから少なくとも日本が舞台であることは明らかで、そこに暮らす人々が揃って流暢に英語を話していることが第一の違和感。←それでも、現代からあの時代に至る間に日本の公用語も英語に変更されたんだと受止めれば容認できないこともなかったのですが、「"BEAT" TAKESHI KITANO」と紹介されている演者は終始一貫して日本語を喋っているのです。本作には他に桃井かおりも重要な役で出演していて下手ながらも英語で喋ってましたから、皆が好き勝手な言語や方言を話しても電脳が翻訳してくれるような設定ではなさそうです。
これで"BEAT" TAKESHIが本業通りの役ならまだ理解してやれないこともないのですが、彼が演じているのはMillaが所属する特務機関の長官というシリアスな役で、上述した「総理にと話してきた/会ってきた」も彼のセリフ(←もちろん日本語!)です。
どんなに時代が進もうとも一国の首相と面談できるほどとなればかなりのエリートのはずで、異国の政治家でもない限り公用語を話すはずなのに日本語を喋っている。←てことは日本語が公用語の国ってことになるのですが、上述した通り他のエージェントはもとより民間人までもが英語を喋っていて、それでいて日本語しか喋らない"BEAT" TAKESHIと会話が成立していることに著しい違和感を覚えてしまったのです。
こうなるともぅ作品そのものよりもセリフの方が気になっちゃって&日本語セリフまで英語字幕を追うようになっちゃって、とても作品を楽しんでいられなかったんですね;

ということで、「GHOST IN THE SHELL」のちゃんとした感想は吹替版を見た後にさせていただきますm(vv)m
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