プレイ日記に先んじて、「ドラゴンズドグマ・オンライン(DDON)」について前口上を述べています。
なお「前口上」と申上げておきながら心苦しいのですが、思い付くことをアレコレと述べていったらかなり長くなってしまったもので、前編と後編に分けさせていただきました。今回はその後編です。

前回は「DDON」の特長を主に述べましたが、今回は「DDON」の短所とでも申すべきか、仕方なく諦めざるを得ない改変と運営側に改善を要望している問題点を報告します。
従いましてファンの方にはネガキャンとも受け取られかねない内容になりますが、その根底は「ドラゴンズドグマ(DD)」に対する愛情とでも申すべきか、その開発者や運営者各位に対する期待度の高さから発している言葉になりますので、何ぶんご容赦のほどを。


改めて申上げますが、「DD」と「DDON」は同じタイトルを戴いたシリーズ作品でありながらかなり趣の異なるゲームです。
「DD」やその拡張版である「~: ダークアリズン(DA)」で気に入っていたシステムや演出が全て「DDON」に継がれ・或いは改良されていれば好かったのですが、なかには残念な改変もあります。

例えばイベントシーンに於いて、「DD」は英語セリフ+字幕・「DA」は追加された日本語セリフとの選択であったのに対し、「DD」では外国語セリフが廃され日本語だけになってしまい、また「DD/DA」はフルボイスであったのに対し「DDON」は字幕のみである場合も多く、訪れた先の村民などNPCはほぼ間違いなく字幕のみになっています。

(このシーンは聞いたことある声優さんがちゃんと演技されてましたが;)
外人顔のキャラクターであれば外国語を喋って欲しいのですが、「DDON」はその向こう側に生身のプレイヤーがいるオンラインゲームですから仕方ありません。だってNPCが喋りまくるゲームで、共闘する覚者(=マルチプレイ相手)とのコミュニケーションはどうしますか?
貴方が日本人である場合、常用語は日本語ですよね。NPCが挙って外国語を喋ってるなかで、覚者だけ日本語を喋るのは違和感があります。或いは美少女を操っているのが男性プレイヤーであったり逞しいイケメンを操っているのが女性プレイヤーである可能性も充分にある訳で、そんな環境でボイスチャットさせちゃうとせっかくの世界観がブチ壊しになってしまいます(PlayStation(PS)4には現在のところPS3のようなボイスチェンジ機能が備わってませんし、仮に備わっていたとしても性別を偽れるほどの性能は期待できないでしょう)
そうでなくとも「DDON」のロビーには最多100人の覚者が集まるので、その100人が思い思いに喋り出したら煩くて仕方ないですよねw
或いはクローズドβテストを経て「PlayStation(PS)Home」のチャット機能が制限されていった原因にも該当するのですが、このテの不特定多数が集うオンラインサービスにはなぜか不適切な言動をとる輩も現れるもので、テキストチャットであればシステムに禁止ワードや連呼防止機能を設けることで抑えられるものも、現代の技術ではまだボイスチャットを制限できないでしょう。嫌な思いをさせられたプレイヤーが相手をブロックすることは可能ですが、何れにせよその前には嫌な思いをさせられている訳で、ブロックできることを識らずに「DDON」を去られてしまったら運営にとっても痛手です。過疎化によってサービス終了に追込まれたら私たちも嫌ですよね。
つまり「DD」をオンラインゲームにするためには、覚者はテキストチャットで喋らせた方が適していると判断されたのではないでしょうか。
ただどうせ字幕を読むのですから、NPCはBGM的に外国語セリフを喋らせても構わないんじゃないかとは思いますけどね。外人顔で日本語を喋られると興醒めしてしまう私ですが、でもPS4の基本機能を用いれば「DDON」もパーティーメンバーとボイスチャット可能であることも視野に入れるとやはり不自然さの原因になり得ますので、日本語セリフは納得せざるを得ません。
ただそうは申しましても、全方位に向けて喋りたい方にとってはこのままでも好いのかも知れませんが、個人的には「PS Home」のようなフキダシも選択できるようにしてくれた方が、発言している相手が誰だか判り易くて好かったのではないかと思います。


他にも「オンラインゲームですから仕方ない」と諦めさせられている項目があります。
ここまで長々と述べておいて今さらですが、それは覚者の能力です。仮にタイマン勝負になったとしたら、「DDON」の覚者「DD/DA」の覚者には敵わないでしょう。
それは何周もプレイすることでLv.∞(実際はLv.200)まで育てられる「DD/DA」の覚者に対して「DDON」の覚者はシーズン2.2段階だとLv.75でレベルキャップを課せられているといったことだけではなく、そもそも各ジョブがとれるアクションの幅に決定的な差が設けられているからです。
例えば「DD」序盤で私が選んだストライダーは接近戦用に双剣&遠距離攻撃用に弓を携えており、また機動性が高く二段ジャンプも可能なことで探索にもかなり重宝しました。
しかし「DDON」では、射撃専門のハンターと身軽なシーカーに分けられてしまっています。
射撃の苦手な私としてはまぁシーカーでも充分でむしろ「DD/DA」より機動性が増しているのですが、ただ同様のジョブで「DD/DA」で最後まで重宝したマジックアーチャーは(私にとって有難い→)ホーミング性のある魔道弓と双剣の組合せでオールマイティーだったのに対し「DDON」はサポートジョブであるエレメントアーチャーとシーカーに分けられてますし、「DD/DA」ではその装備の多様性からおそらく最強ジョブと思しきアサシンに至ってはファイター・ハンター・シーカーの3つに分けられてしまっているのです。
また一見すると完全新規ジョブに見えるシールドセージアルケミストにしても、実態は「DD/DA」のメイジから属性魔法だけ抽出し防御力や機動力を加味したジョブに過ぎません。
そうやってこれらジョブ再編だけ見ると「DDON」は「DD/DA」から劣化したように捉えたくなってしまうのですが、でも必ずしもそうとは限りません。
結論は「オンラインゲームですから仕方ない」に近いのですが、「DD/DA」の覚者はグランシス半島に於いて唯一無二の存在であったのに対し、「DDON」の覚者はレスタニアの守護者である白竜が無作為に選んだ大勢のなかの1人に過ぎないという前提があるからです。そう、「DDON」の覚者は1人じゃないのです。
「DD/DA」の主人公を覚者に選んだ赤竜はグランシス半島を苛む災禍として畏怖の対象となっておりましたが、元を辿れば先代の赤竜に選ばれた覚者でした。永遠にも等しい「時間」の牢に囚われた赤竜は、自身をその牢から解放し、また同じく「時間」の牢に囚われている界王に代るべき存在として主人公を覚者に選んでいたのです。
対して「DDON」の主人公を覚者にした白竜も元は覚者だったようで、本来は「DD/DA」のように覚者と1vs1の立場だったのかも知れません。ただレスタニアの民にとって白竜は神にも等しい畏敬の対象であるようです。
300年ほど前に起きた災禍によって深く傷ついた白竜が、神通力を失いゆくなか集ってきた民を、自身の代りとなる守護者として覚者にしている顛末が「DDON」のオープニングで描かれています。

つまり「DD/DA」の覚者が赤竜に選ばれた救世主であったのに対し、「DDON」の覚者はむしろ白竜の使徒と表現すべきかも知れませんね。
元気な竜が1人だけ選んだ救世主と疲弊しきった竜が無作為に何人も選んだ使徒の1人とでは、与えられている能力に隔たりがあっても当然←ということです;
その代り「DD/DA」の覚者は救世主として崇められつつも孤独だったのに対し「DDON」の覚者には数多の同志がいる訳で、そこがオンラインゲームの醍醐味であり「仕方ない」とは違う気もします。
え?「1人クランの覚者(≒私)は孤独だろw」って?←否々、「DDON」にはNPCの覚者もいますし、クランの上部組織として覚者隊もあります。
最終的には誰の理解も得られないまま消え去った「DD/DA」の覚者と違って、「DDON」の覚者は社会的地位とサポートを得ているので、孤独ではありませんよ。他の覚者と共闘しないと報酬を得られないクエストもありますし。