SSブログ

「モンスターハンター・ポータブル」にハマった理由#3 [ソフトウエア]

モンスターハンター・ポータブル(MHp)」初作で躓きながら「~2nd」を始めたところまで話しましたね。
思い通りに操作できないアクションゲームなんて、本来なら嫌気がさして放り投げられてしまうのが常なのに、「MHp」ではわざわざその続作を購入してまでプレイ継続する気になったのは何故でしょう。

それは何を措いてもまず、「モンスターハンター(MH)」の世界構築の見事さによるところが大きいです。
それ以前に在ったこのテのアクションゲームでは、フィールドに現れるのは一部のNPCを除いて敵のみでした。つまり倒すべき相手と倒してはいけない(or倒せない)相手、つまり○か×しかなかったのです。
ところが「MH」には、倒す必要のない相手という第三の選択肢が設定されています。←謂わば△です。
この△は、各プレイヤーの要求によって○にも×にもなり得る存在として、フィールドでただ生きている存在として描かれており、それが存在することで、「MH」世界にリアリティを持たせているのです。

肉食飛竜「ティガレックス(轟竜)」と呼ばれるモンスターを例に、もう少し具体的に解説しましょう。
この轟竜、「~2nd(G)」の冒頭映像で主人公を襲い瀕死の重傷を負わせてくれる飛竜、謂わば中ボスです。
従来のゲームソフトであれば、次回それと出会うときは決戦の時であり、それを倒さないと次に進めないのが常識的なゲーム演出でした。ところが「MH」では違います。
「~2nd(G)」で轟竜が登場する最下位クエストは、村長から序盤に受注するチュートリアル的なクエスト「忍び寄る気配」なのですが、
冒頭映像で主人公を襲った憎き轟竜が再登場&「忍び寄る気配」なんて思わせぶりなタイトルで、もちろん轟竜を倒せば強力な武具の素材を入手することができるのですが、轟竜はその段階の防具ではたった一撃で瀕死の重傷を負わされるほど強力なモンスターで、逃げてやり過ごしてしまっても、そのクエストでは何もペナルティが発生しないままクリアできてしまうのです。
なぜならこのクエストの依頼内容は雪山に棲む草食竜ポポを倒して入手できる「ポポのタン」為る食材を持ち帰ることで、このクエストに於ける轟竜は単に邪魔なだけで、せいぜい格好良く表現しても偶像的な畏怖の対象として描かれているだけなのです。

なぜなら、危険なモンスターの退治を依頼するのなら普通はそれなりに経験を積んだ狩人に依頼するのが当然であって、デビューしたての新米狩人に依頼するなんてことはあり得ませんよね?でも初心者だろうが経験者だろうが、同じフィールドに赴けば、そこに棲むモンスターに出遭うのも当然のことです。
つまり「忍び寄る気配」の発注主は、プレイヤーに轟竜討伐は期待しておらず、むしろ無謀な挑戦をしてクエストリタイアに追い込まれても、それは自身の度量を見誤ったプレイヤーの責任なのです。
「MH」ではこんな当たり前のことを描いているだけなのですが、アクションに限らず他ジャンルのゲームでも、ステージを進めれば進めるほど強敵が現れる、逆に申すと、序盤には絶対に強敵が現れないという歪な状況が、従来の一般的なゲームの常識でした(←もちろん一部に例外も存在しましたが…)。

「MH」スタッフはそんな歪な従来のゲーム演出に対して「ワールドカップ緒戦でブラジル代表と当たっちゃう不運なチームだっているでしょ?」「サバンナに行けばライオンがいるのは当然のことでしょ?」と、新たなゲーム演出を提示したのでしょう。
でもゲームに於いていきなり強敵との対戦を強要する訳にはいかないですから、従来ゲーム演出と折衷して「怖かったら逃げても良いんだよ」としているのではないでしょうか。
全てのゲームジャンルにこの手法を当て嵌めることは出来ないでしょうけれど、少なくとも「MH」に限れば、この新演出はリアリティ表現に革命を齎しています。
ハードウエアの進化に歩調を合せて映像や音声の情報量を上げることだけが虚構にリアリティを持たせる手段ではないんですよね。

もちろんゲームが新化すべきはリアリティの追求だけではありません。何でもかんでもリアルにすれば面白いと思っている人がいたとしたら、その人は勘違いしています。
むしろ上手にウソをついているゲームの方が面白かったりするのですが、「MH」に限れば、プレイヤーにその世界に浸らせるためのリアリティとウソのバランスが秀逸であると述べるべきでしょう。

モンスターハンターポータブル PSP the Bestモンスターハンターポータブル 2ndモンスターハンター ポータブル 2nd G PSP the Best
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:ゲーム

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。