SSブログ

VEZEL#6 [ハードウエア]

Myヴェゼルが一段落ついて、また7月10日に発表されたリコール&サービスキャンペーンによって実施された各制御プログラムの更新によって本来の(?)性能を発揮されるようになったと思われますので、ここでヴェゼルの総括を述べたいと思います。


私がヴェゼルの存在を識ったのは、今年の年始回りの際に乗った電車でたまたま見掛けた試乗キャンペーンの中吊り広告でした(←ヴェゼル自体は昨年末のうちに発売されています)
「次はハイブリッドAWD」とは決めていたものの特に目星はつけておらず、強いて申すなら数年前にトヨタからのハイブリッド技術の供与をじられたマツダがリリースしてくれることを期待してノンビリ待ち構えていた私にとって、当時まだ名前はおろかその存在さえろくに認識していなかったヴェゼルの登場は寝耳に水でした。
またヴェゼルの存在を識って調べ始めたことで、私が認識していなかっただけで既に少なくともトヨタスバルからはハイブリッドAWDがリリースされていたことを識ってさらに驚かされたので、その意味でヴェゼルは私に重複した驚きを齎した「衝撃」であったとも申せます。

何が衝撃って、それ以前の私が認識していたハイブリッドはプリウスに代表されるエコカーの印象が強く、私にとっての「エコカー」は動力性能や居住性を犠牲にしてでも低燃費を実現したダルいクルマのイメージだったのです(←プリウスオーナーの皆様ゴメンなさい)
それに対してAWDと云えば、踏破性重視のジープランクルであったり走破性重視のランエボインプレッサであったり、或いは私がまだ学生だった頃に復活を果たした以降 日本が世界に誇るスーパースポーツの座を牽引し続けているGT-Rであったり、上述エコカーとは真逆で燃費よりも動力性能重視のイメージでした。
つまりそんな真逆のもの同士が混じり合うには相応の期間を要するものと受止めていて、それを最初に実現してくれるのは、世界で唯一ロータリーエンジンの量産を実現しちゃうような挑戦的な社風をもったマツダを措いて他にないと決め付けちゃっていたんですね;

でも現在になってみれば、トヨタと云えばハイブリッドの量産を世界で最初に実現したリーダーでありスバルと云えば世界で称賛されているAWD技術を持っていて、その両社は共同で86BRZを開発するほど関係が良い訳で、この両者からハイブリッドAWDのクルマが出る予感はあったはずなのです。
それにホンダと云えば先行するトヨタに頼らずにハイブリッド車の量産を実現したり、二輪と四輪の両方で世界を制したレーシングサプライヤーかと思えばジェット機自律ロボットを開発しちゃったりもするチャレンジャー集団ですし、そもそもホンダは既にスポーツハイブリッドの先陣を切ってCR-Zをリリースしていましたし独自のAWD技術を熟成させてきていたのですから、ハイブリッドAWDをリリースする可能性は充分にあった訳です。

で、私がマツダだけに注目している間にホンダはその答えを提示していました。
それが以前にも紹介したコンセプトカーURBAN SUV CONCEPT」であり、その量産車となるヴェゼルだった訳です。
URBAN SUV CONCEPT

でまぁモーターショウや発表会を見落としていたのは仕方なかったとして、TVをつけてもゲームor番組を見るとしても録画データでCMスキップしてしまう私は、年末から大量投入されていたTV-CMさえも完全にノーマークでスルーしてしまっていたのです。

見返しても「ああ~、そぅ云えばこんなCMあった…かも?」程度の認識しかありません;
そのために中吊り広告でその存在を識り&興味を持って調べたことで、重複した衝撃に襲われてしまった訳ですねw


さて、ではこの「ヴェゼル」とはいったいどんなクルマなのでしょう。
開発者の発言を総合すると「多面的な魅力のある特別なクルマ」を目指されたそぅで、それは高い車高でありながら空力を意識された外観であったり・運転席をコンソールで仕切るコックピットでありながら高い天井で開放感があったり・その名の語源が宝石のカット面を表す「bezel」であったり・角度によって表情を変える専用色であったりからも窺い知れます。
そして上述したヴェゼルの前身となったコンセプトカーの名前「URBAN SUV」も実は多面性を表していまして、
そもそも「SUV(Sport Utility Vehicle)」という車種は「郊外に遊びに行くためのクルマ」という意味合いがあるのに対して、郊外とは対極の「URBAN(:都会の・都会的な)」が冠せられているのです。
まぁ目的に合せてクルマを使い分けるには相応の環境が求められるはずで、実際には近所の街乗りでも既にSUVは活躍しているんですけれどねw
でも直訳すると「都会的な郊外に遊びに行くためのクルマ」←何じゃそりゃ?って名前ですが、これほど的確で解り易い表現はありません。

では実際に乗ってみて感じるヴェゼルの多面性とはどんなものなのでしょうか?
例えば多面性をもったゲーム機となるとPlayStation3のように、機能をアピールするためにパソコンやネットワーク家電を引合いに出してしまったためにに実像がボケて逆に市場で戸惑われた例がありますが、
一般的な量産車が船舶や航空機の機能を取り入れるのは無理がありますし、電化製品の機能を取り入れるとしても高が知れています。
その意味でヴェゼルの多面性は「パーソナルでもカップルでもファミリーでも」「若者でも年輩でも」或いは「街乗りでもワインディングでも長距離でも」または「スタイルも居住性も」程度の多面性でしかないのですが、でもそれらを高次元で共存させるのはかなりハードルが高いはずで、ヴェゼルはその辺りのバランス取りが非常に巧く出来ているのです。


それからもうひとつ、ヴェゼルの多面性を語る上で忘れてはいけないことがあります。
それは、「ヴェゼル」と一言で片付けられてはいるものの、ヴェゼルには大きくタイプの異なるバリエーションが用意されていて、それぞれ同じ「ヴェゼル」の名を冠しつつもタイプの異なるクルマの集合体であると云うことです。

まず一番大きな差別化はガソリン車とハイブリッド(ガソリン+電気)車がラインナップされているということです。
なおこれはヴェゼルハイブリッドに乗って判ったことなのですが、ヴェゼルのハイブリッドエンジンは省燃費を期待されるべきシステムではありません。
なぜならヴェゼルのガソリンタイプもフィット譲りの低燃費なエンジンを搭載されていて、ハイブリッドタイプでもエンジン駆動が主となる高速道であったり渋滞の多い都会の運用では、むしろ充電の制約が少ないガソリンタイプの方が好燃費な可能性があります(←ハイブリッドは駆動バッテリーの充電が消耗すると停車中でもアイドリングストップせず充電するため、下手すると逆にガソリンをバカ食いしてしまう可能性があるのです)。
ではハイブリッドのくせに燃費に不利なのかと申しますと、70km/h未満の中低速域ではモータ駆動によるクルーズで圧倒的な燃費を叩き出せますので、あながち燃費に不利とも申せません。
しかしそれ以上にヴェゼル用ハイブリッドシステムの強味は、低速域からトルクフルなモーターアシストを得られることによる、動力性能の高さではないでしょうか。
ヴェゼルに搭載された直噴i-VTECエンジンはそれだけでも充分な出力を発揮しますので、モーター+バッテリーぶん軽量なガソリンタイプでも充分軽快に楽しめるはずですが、ハイブリッドタイプは上ランクのエンジンに匹敵するトルク&出力を得ることが出来る補助動力としてモーターアシストを利用されている気がします。
上述でハイブリッドシステムに対して「燃費重視⇒エコカー⇒ダルい」印象があった旨を申上げましたが、少なくともヴェゼルのハイブリッドシステムに対してはその印象を取り下げる必要があります。
なおヴェゼルにはそれ以外にターボ車やディーゼル車もラインナップされるなんてウワサもあります。

ヴェゼルを差別化する次の要因は、駆動方式です。
ヴェゼルには、如何にもホンダ車らしい伝統のFF駆動とヴェゼル用に調整されたAWD駆動がラインナップされています。
前から申上げている通り私はAWDしか眼中になかったのですが、「ホンダ車」と申せばシビックアコードを筆頭に昔からFFの印象が強く、永年蓄積されてきたノウハウに基いたホンダFFの信頼性は高いですよね。

以上、取敢えずウワサのターボやディーゼルは抜いたとして、現在日本で流通しているヴェゼルは10タイプ×色のラインナップになるのですが、実体としては下記の4タイプに集約されます。
・DAA-RU1:ガソリン×FF
・DAA-RU2:ガソリン×AWD
・DAA-RU3:ハイブリッド×FF
・DAA-RU4:ハイブリッド×AWD
日本で売れているのはやっぱりハイブリッド車だそうで、さらに申しますとそのFF式であるRU3が一番売れているそうですね。
上述で申上げた通りホンダ車はFFの印象が強く、ホンダ車のなかからヴェゼルを選んだ段階で必然的にFFが前提になっているのかも知れません。←私のようにハイブリッドAWDのなかからヴェゼルを選択したのとは逆方向のアプローチですね^^
ちなみにヴェゼルハイブリッドに於けるFF(RU3):AWD(RU4)の比率はだいたい3:1のようです(根拠はコチラの対象台数)


さてヴェゼルで一番売れているRU3ですが、それを牽引しているのは、他のタイプでは選べない専用装備を纏ったハイブリッドZではないかと思われます。
ハイブリッドZは他のヴェゼルと明らかに差別化されていて、外観はロアカバーまで色を統一されており内装は唯一ジャズブラウンを選択できますし、他ですとリバース連動ドアミラー・雨滴検知式ワイパー・左右独立温度フルオートエアコンなどは、ヴェゼルではハイブリッドZならではの装備とされています。
これを以て「ハイブリッドZがヴェゼルの最上位グレード」と受止めておられる方が多く居られ、まぁそぅ受止めたくなるのも解らないでもないのですが、私は敢えてこの認識に異を唱えさせていただきます。
「最上位グレード」を名乗るからには他のタイプでは到底敵わない総合的なプレミアムを所持しているべきなのですが、果たして専用装備だけで「プレミアム」を語って良いものなのでしょうか?
と申しますのもハイブリッドZは全ヴェゼルのなかで価格は3番手なんですね。←最上位のプレミアムモデルが3番手っておかしくないですか?
そうなんです。ハイブリッドZは確かに外観も含めて専用装備で差別化されプレミアム感を演出されてはいるものの、中身は飽くまで他のハイブリッドFFと変わらないRU3であって、特別なセッティングが施されている訳でも贅沢な素材に替えられている訳でもありません。
ハイブリッドZを最上位と捉え乗って居られる各位には申し訳ないですが、そんな目先程度の差別化で「最上位」を名乗られるのは他の本当の最上位グレードに対して失礼ですし、ハイブリッドZを最上位と表現してしまうとヴェゼル全体の価値を落としかねないので止めていただきたいのです。

ではハイブリッドZを価格で凌ぐ1・2番手は?と申しますと、同じくハイブリッドなのですが、RU4のハイブリッドX(AWD)とソレに装備を加えたハイブリッドX・Lパッケージになります。
RU4はホンダ初のハイブリッドAWD車だそうで、その制御プログラムにはAWD本来の機能に加えてヴェゼル専用のセッティングが施されているそうです。←これも明らかな差別化ですね。ハイブリッドZが装備で差別化されたモデルであるとすれば、こちらは機構で差別化されたモデルということになります。
では最高額のハイブリッドX・Lパッケージこそが最上位モデルなのか?と問われたら、それも違います。
なぜならハイブリッドX・Lパッケージはその名が示す通りハイブリッドX(AWD)に幾つかの装備をまとめて付加しただけの、云ってしまえばハイブリッドX(AWD)の徳用版的な存在で、最上位を名乗るにはやはりプレミアム感が足りませんし、そもそもハイブリッドXはFFとAWDを共にラインナップした中間グレードに過ぎないからです。

云ってしまえばヴェゼルには付属品の差こそあれ特別なグレードなど存在せず、強いてトップを挙げようにも互いに不可侵領域を抱えているために1台に絞れない或いはユーザーの趣向によって変わる←と捉えるのが正解だと思います。

ではハイブリッドZにAWD駆動がラインナップされたとしたら「最上位」を名乗れるでしょうか?

価格.comのクチコミ掲示板を見ていると、「本当はAWDが良かったんだけどハイブリッドZの装備に惹かれた」とか「ハイブリッドZのAWD版が出たら最強なのに」なんて意見が書込まれることがあります。
私自身ヴェゼルの中からどれを選ぶか悩んでいた際に似たようなジレンマを抱えたのでその気持ちはよぉく解るのですが、でも実際にハイブリッドX・Lパッケージに乗るようになって、その考えが的外れであることが解ってきました。
ココから先はホンダが公言していることではなく私の勝手な推測(≒妄想)になりますが、
ヴェゼルには、他のクルマによくある「寒冷地仕様」がラインナップされていません。
では「ヴェゼルは寒冷地で乗れないの?」それとも「どのヴェゼルも寒冷地に強いの?」と問われたら私は、「RU2とRU4の両AWDが寒冷地仕様に相当するのだろうけれど、寒冷地以外でも乗ってもらいたいから敢えて『寒冷地仕様』とは謳っていないんじゃないかな?」と答えます。
なぜ?って、ヴェゼル各モデルの装備の違いを見たら一目瞭然だからです。
まずAWDの方が悪路に強く凍結や積雪の虞がある寒冷地に向いているのはご理解いただけますよね?しかもヴェゼルのAWDはRU2・RU4とも全てのタイプにコンフォートビューパッケージ(親水/ヒーテッドドアミラー・フロントドア撥水ガラス・熱線入りフロントウインドウ)が標準装備されているのに対し、FFはRU1・RU3ともオプション扱いで標準装備されているのは最も装備の整ったガソリンSとハイブリッドZだけです。

そして、上述で「差別」と表現したハイブリッドZ用の装備が、実は寒冷地の使用に不向きであることも「ヴェゼル」内各型式の差別化を証明しています。
では、ハイブリッドZが誇る専用装備の大半が寒冷地に不向きな根拠を示しましょう。
①ボディと同一色のロアガーニッシュ
ヴェゼルハイブリッドは8色在るので、雪が跳ねてキズ付く可能性の高いロアガーニッシュの交換部品を揃えようと思ったら、ハイブリッドZ用だけで8色も揃えなければいけませんよね?
メーカーは当然それだけ多くの在庫を所持する必要がありますし、在庫を所持しないにしてもひとつあたりの手間も無駄に嵩むはずです。
他グレードのように色を統一された場合と較べてどれくらい高額になるのでしょう?納期も心配ですね。
②唯一選べるジャズブラウン内装
黒ならまだ目立たないでしょうけれど、ブラウン色の革製品に雪が付いたらシミがついてしまうはずですよね。
そんなに簡単に交換できるとも思えませんし、だからと申して雪の度に気遣ってなんていられません。
③リバース連動ドアミラー
可動部に雪が入り込んだり凍結してしまう虞のあるドアミラーに、後進の度に自動で動くような機構を設けたらどぅなるでしょう?壊れてしまいませんか?
ドアミラー本来の用途を考慮したら、春までは使用を控えた方が良さそうな機能ですよね。
④雨滴検知式ワイパー
夜中に降り積もった雪が凍結した前窓をワイパーで拭き取れると思いますか?おそらくすぐにゴムがダメになってしまうはずで、降雪時は最低でも凍結した雪を除去してからでないとワイパーは動かせません。
しかし自動検知ワイパーはそんなのお構いなしに動いてしまう機構ですから、降雪の際はせっかくの機能をOFFにしておかねばなりません。
⑤17インチアルミホイール(スポーツタイプ)
寒冷地はスタッドレスに換装されるのが本来ですから、せっかく目立つホイールも春までお預けですね。
ついでに申しますと、「スポーツタイプ」を謳いながらこのホイールは、アルミパッケージやハイブリッドX・Lパッケージの17インチアルミホイールよりも各200gばかり重かったりします(ソースはコチラ)。
例え僅か800gとは申せバネ下重量は路面追従性(&乗り心地)に大きく影響を及ぼす項目で、仮にタイヤだけ交換してホイールを活かすスキルがあったとしても、このスポーツタイプwは最も避けるべきであることがお解りいただけるはずです(←ま、スポーツタイプじゃない方のも16インチと較べたら各1.6kg重いんですけれどねw)。

どぅでしょう。ハイブリッドZの専用装備のなかで寒冷地でも使えそうなものは、強いて申せば左右独立温度エアコンくらいしか残りません。←厚着の人が僅かな温度差を求めるかどうか判りませんけれどw
こうやって並べてみると、ハイブリッドZのAWDがラインナップされなかった理由←と申しますより、上述した特別装備がなぜRU3だけの「特別」扱いにされたのかがお解りいただけると思います。
そりゃ雪国でもFFに乗ってらっしゃる方は多く居られますし市場から要求があればAWD駆動のハイブリッドZも追加されるかも知れませんが、でも上述した理由からしてRU4に現在のハイブリッドZと同じ特別装備はあり得ないのではないでしょうか。
仮にハイブリッドZ装備のAWDがラインナップされたとして&もともとAWDありきでクルマを選んだ私が改めてヴェゼルを購入する立場だったとしたら、やっぱりハイブリッドZのAWDは選ばないでしょうね。
より嗜好性の高いバイクならともかくクルマは季節を問わず乗りたいのに、私の実家がある降雪地も視野に入れるとハイブリッドZは無駄な装備が多過ぎるのです。
ハイブリッドZは、「URBAN SUV」のコンセプト通り都市生活者向け仕様と受止めるべきですね。
ちなみに私が改めてヴェゼルを選ぶとしたら、ハイブリッドX(AWD)+オプションチョイスにします(←ウチは革張り内装&ハードボードに替えてしまったのでハイブリッドXに対するLパッケージの優位性がかなり削がれていて、ハイブリッドX(AWD)+アルミパッケージに同オプションを選択した方が10万ほど価格を抑えられたのですorz);


さて…、本来ならココでようやく本題に入るところなのですが、例によって前置が長くなり過ぎてしまいましたし、ヴェゼルのインプレッションはまた次回とさせていただいて、今回はここで一旦締めさせていただきますm(vv)m
タグ:クルマ
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:自動車

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

VEZEL#4.3VEZEL#6.1 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。