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PlayStation3とNGP(仮)の関係について [雑記]

「価格.com」クチコミ掲示板のあるスレッドで、常連のT氏から興味深いテーマが挙げられました。
当該スレッドはコードネームNGP(仮)の名前に関する質問スレであったため、脱線となる話題を延々と議論する訳にも参らず半端のまま終わってしまいましたので、ココで改めて考察してみたいと思います。

T氏が挙げられたテーマとはPlayStation3用ソフトの将来を憂いたもので、携帯機ながらPlayStation3に迫る(?)表現力と快適な開発環境を謳われるNGP(仮)の登場によって、ソフトメーカーの開発の軸足がNGP(仮)にシフトされてしまうのではないかというものです。
確かに先の発表では、登壇した各位が異口同音にNGP(仮)の高性能ぶりや快適な開発環境をアピールされており、その引合いとしてPlayStation3が利用されているようにも見得ました。
そうなると、
・従来PlayStation3用ソフトを中心に開発されていたメーカーでさえそこで得たノウハウをもとにNGP(仮)ソフトばかり開発するようになってしまうのではないか。
・PlayStation3用ソフトが開発されるとしても、NGP(仮)用に開発されたソフトを移植される所謂「マルチプラットフォーム」タイトルばかりになり、そして携帯機用から移植されたようなソフトでは、PlayStation3の能力を満足に活かせないのではないか。
…と云ったところがPlayStation3ユーザーであるT氏ご懸念の内訳になるかと思われます。

T氏のご懸念は、過去からPlayStationシリーズを愛用されてきたユーザーにとっては切実なものです。
…と申しますのも、伝統的にPlayStationシリーズでリリースされてきた人気シリーズが他機種に鞍替えされたり、或いは他機種とマルチプラットフォームでリリースされているタイトルも少なくないのです。
「好きなソフトをリリースされているハードを買えば良いじゃないか」と云うのは簡単なのですが、例えば「モンスターハンター3」は当初PlayStation3用の開発を告知されていてそれを期待していたPlayStation3ユーザーも居られたはずなのに、突如ハードウエアを鞍替えされPlayStation3版はなかったことにされたなんてことがありました。他には「エースコンバット」や「(もともと任天堂ハード向けでしたが)ドラゴンクエスト」なんてのも在りますね。
前作がPlayStation2でリリースされていたことからPlayStation3にそのまま移ってくると思っていたユーザーにとっては、苦い思い出です。

もちろんPlayStation3に残ったタイトル或いは新規に生まれたタイトルもあります。

ですが海外産はもとより国産でも国際市場を意識されたサード製PlayStation3用ゲームソフトはXBox360とマルチプラットフォーム開発されたものが非常に多く、特にネット情報に明るく初期からPlayStation3を愛用してきたユーザーにとってはそれも苦い思い出なのです。
さすが天下のMicrosoftがリリースしているだけあってXBox360の開発環境はかなり恵まれているようで、パソコン用ソフトの開発環境を容易に転用できる強味を活かしXBox360用に開発されたソフトは、初期からそのパフォーマンスを充分に活かせていたように見受けられます。
対するPlayStation3の方はさすが(?)SCEIがリリースしているらしく、ハードウエアとしてのパフォーマンスは高いのかも知れませんがその開発環境が整うまでに期間を要しており、そのパフォーマンスを活かすためには相当の技術蓄積を要すると云われておりました。
そんな両機に向けてデベロッパーがマルチプラットフォーム開発する場合、XBox360に向けて開発されたソフトをPlayStation3に移植されるケースが多かったようです。
両機ともHD映像を扱える高性能なエンタテインメント機なのですが、当然万能ではなく互いに得手不得手があるようで、片側が出来ることを必ずしももう一方も出来るとは限りません。
そうなりますとデベロッパーがマルチプラットフォームタイトルを開発する際には、両機共通の機能のみを利用するか・もう一方に移植する際に片側しかサポートできない機能を削除・改変されてしまっている可能性も否定できません。
PlayStation3ユーザーの視線でいきますと、せっかく大容量のBD-ROMを採用されているのにDVD-ROM容量に内容を引張られてしまうとか、せっかく高性能なCPUCell Broadband Engine」を積んでいるのに活かし切れなくなってしまうとか、逆にXBox360の強味であるGPUVRAM兼用によって自由度の高いワークメモリを活かしたゲームのPlayStation3版は見栄えが劣るといったコトもありました。
その結果、特に初期のマルチプラットフォームタイトルに於いて両機向けソフトのパフォーマンスに格差を生じ、その格差を指摘する意見が多くの論争を生み、その多くはPlayStation3ユーザーにとって歓迎できない内容のものが多かったのです。

まぁこの例は、片側しか知らないユーザーからするとどぉでも良い話なのですけれどw、しかし、その相手がNGP(仮)となると話は別です。
まだ詳細を発表されていないとは云えNGP(仮)は事実上PSPの後継機であることは間違いなく、そうなりますと「リモートプレイ」「アドホックパーティ」などPlayStation3と連動した使用法を継承され或いは更に親密度を上げてくる可能性もあります。つまり、両機を併有するユーザーが確実に現れるということです。
発売タイミングに時間差があったり後発の方に魅力的な追加コンテンツがあれば話は別ですが、マルチプラットフォームで開発されたソフトがタイミング・内容とも大差ない場合、大抵のユーザーは自分のプレイスタイルに合わせて何れか片方しか買わないですよね。
ユーザーが重複するということは、ハードウエアの普及量に対して市場がそこまで大きくないということです。
つまりNGP(仮)はXBox360と較べると、PlayStation3のマルチプラットフォーム相手としてあまり魅力のないハードと云うことになりますので、マルチプラットフォームについての懸念はなくなります。

次にPlayStation3用ソフトのメーカーがNGP(仮)に移ってしまうのではないかという懸念について。
仮にNGP(仮)がPlayStation2並の垂直立上げで爆発的に普及したとしたら、その可能性は否めません。
ですが、上述の通り昨今のゲームソフト開発には時間を要しますからね。
PlayStationストアのダウンロード専売を想定されたようなカジュアルゲームなら可能性がありますが、BD-ROMの大容量を想定されて制作されている大作ゲームを、内容を削ってまでコンバートすることはないのではないでしょうか。
携帯機には携帯機ならではの・据置機には据置機ならではの特徴があり、どんなに内容が重複しようとも、互いに越えられない最後の牙城が存在するはずで、それが解っているクリエイターであれば自ずと棲み分けができているはずです。
その例として、先の発表会でセガ名越稔洋氏が述べられた、PlayStation3ユーザーにとって頼もしいご意見を紹介しましょう。
僕自身は据え置き機で、今こういうゲーム(「龍が如く」シリーズ)を主に作らせてもらっていますが、据置機にいい意味でまたプレッシャーがかかります。
「携帯機がどんどん良くなっていって、でも据置機はどうしていくのか」というプレッシャーさえも楽しませていただきながら、もちろん新しいNGPという機械を触りながら、こんなことができそうだと驚きのあるエンターテイメントを、特にネットワークを使ったものを開発させていただければと思っております。
…この発言を私は、ただでさえ時と場所を選ばないアドバンテージを持たれている上に得意の演出力でも迫ってきた携帯機に対して「だったら据置機ならではの違う利点を活かして迎え撃ってやるよ!」と宣言されているように受取れました。
つまり携帯機がどんなに頑張っても不可能な据置機ゲーム←もっと云ってしまえば従来より更にPlayStation3の特徴を活かした尖ったゲームの登場を予感させる、すんごく頼もしい宣言だったといえます。
名越氏の今後の動向に要注目ですね。応援しますo(^-^)o


さて、では同タイトルのソフトがPlayStation3とNGP(仮)ではリリースされないのかと申しますと、それもないでしょうね。
先の発表であそこまで強調されていたということは、裏を返すと既にPlayStation3とNGP(仮)で、少なくとも開発機材上はライブラリデータを共用したソフトが開発されている可能性が高いということだと思います。
上述スレッドのT氏は画素数の違いもご指摘されていました。
携帯機である都合上NGP(仮)の画素数はフルHDに対応したPlayStation3より粗いのは確かです。
掌サイズに向けて開発されたNGP(仮)ソフトをリビング大画面のPlayStation3に移されると、引伸ばされて間延びした映像になってしまうのではないかというご懸念ですね。
実際、PlayStation3がフルHD(1,920×1,080pxl)まで出力できるのに対して、NGP(仮)は960×544pxlしか(?)ありません。ですがその数字をよく較べてみてください。
NGP(仮)はその後継機という立場上「PSPの4倍」と説明されていましたが、同時にPlayStation3の1/4でもあることに気付くと、単純に画素数を縦横半分にしただけ(?)の意外と親和性の高い画素数であることが浮彫りにされてきます。
まして結果はどうあれ映像処理も共用できるということは、PlayStation3用に作成したデータをシェイプアップするだけでNGP(仮)に使えることを指しておりますので、映像に関しての懸念は失せます。
そしてインターフェイスにしても、NGP(仮)の6軸検出システムは既にPlayStation3のSIXAXISに搭載されていますし・タッチパネルにしてもPlayStation Moveが代用できそうです。
強いて申すなら、NGP(仮)の背面タッチセンサーとPlayStation3のL2/3ボタンR2/3ボタンが違うところでしょうか。
それにしても、L2/3ボタンR2/3ボタンの役割を背面タッチセンサーに持ってくることは出来そうですからね。
そうやって考えるとNGP(仮)は、PSPの後継機であるのと同等以上にPlayStation3のパートナーとして開発されたことが判ってきます。

ではそんな関係の両機で、内容の異なる同タイトルが開発されるというのは、どういうことでしょうか。
ここで先の発表に登壇された、コナミデジタルエンタテインメント小島秀夫監督の談話を引用してみます。
僕が言いたいのは「次世代の携帯機ゲームはPS3と同じだ」とか、「そういった携帯機にメタルギアソリッド4を移植する」とそんなことではありません。
昨年、PSP用にメタルギアソリッドのピースウォーカーというのを発売致しました。その時に、「近い将来、クラウドコンピューティングの世界が来ると思う」と申し上げました。家でも、外出先でも、あるいは移動していても、あらゆる状況で一緒に継続して、ゲームができるようになる。そういう時代が来ると思います。
僕が言いたいのは、 このNGPの誕生で、その疑似クラウド的な新しいゲーム世界が可能になるだろうということなのです。
いま僕は、その夢のプロジェクトの準備をしているところです。
…さて、世界中のクリエイターからリスペクトされている小島監督の「夢」とは何でしょう。
上述のコメントを表面だけで捉えると、セーブデータを共有できるマルチプラットフォーム作品のようにも受取れますが、それだったら既にゲームアーカイブスのタイトルが実現していますし、メディアの容量が許せばPSPだって実現できそうなことで、敢えて次世代機の発表会で強調するような内容ではありません。←今さらそんなことを「夢」と称するほど小島監督は甘くないハズです。

さぁて、ではトップクリエイターの「夢」を一介の素人が分析(≒妄想)してみましょう。
キーワードは、当日小島監督が発した「クラウドコンピューティング」と、「メタルギアソリッド3 サブシスタンス」「メタルギアソリッド ポータブル OPS(+)」「メタルギアソリッド4」に同封され単品タイトルにもなった「メタルギア・オンライン」そして小島監督が「実験」と称された「メタルギアソリッド :ピースウォーカー」です。
クライドコンピューティングを簡単に申上げるとネットワーク管理です。
プログラムやデータなどはサーバ上に置いてあり、クライアントからの依頼でサーバが処理した結果がクライアントに反映されると。そういったものになります。
つまりゲームですと、オンラインゲームがそれに該当する訳ですね(←本来なら「ゲームオンデマンド」と呼ばれる配信サービスが正解のはずですが、コチラを数千万台規模のコンシューマゲームで実現するにはメーカーの負担が重過ぎますので、さすがにまだ時代が追い付いていないでしょう)

ここで改めてPlayStation3とNGP(仮)の違いを見てみましょう。
処理性能・インターフェイスについては上述の通り。強いて付加えるなら容量の限られた充電池駆動となるNGP(仮)が連続給電されるPlayStation3の表現力にどこまで迫れるかと云うことですが、それとは別に共に越えられない決定的な違いがあります。
それは、今さらですがPlayStation3は据置機でありNGP(仮)は携帯機であるということです。
・PlayStation3はBD-ROMの大容量を活かして大画面・サラウンドなどリッチな環境を前提にしたソフトウエア開発が可能であり、広帯域ネットワークに常時接続することで遠くの見知らぬ相手とコミュニケーションを取ることも可能です。ただしテレビから離れると何も出来ません。
・NGP(仮)は単独で使用可能であることから場所も時間も選びませんし、仲間と持ち寄って手軽に協同プレイを楽しむことができます。ただし無線ルータやPlayStation3などを介在させないと広帯域ネットワークに繋げられませんし、充電池での稼動を想定すると連続した長時間プレイには適しません。
そうなりますと自ずと各々に向いたプレイスタイルが見えてきますよね。
腰を据えてリッチなコンテンツを贅沢に楽しめるPlayStation3と、場所を選ばずカジュアルに楽しめるNGP(仮)と云うことになります。とうぜん各々に適したコンテンツは別のものになるはずです。

この両機の長所を最大限に活かしつつ相互に短所を補完し合えるようなものを、小島監督は「夢」に例えたのではないでしょうか。
例えば簡単なところですとNGP(仮)に手牌などを表示してPlayStation3は対戦台の役割を果たすボードゲームやカードゲームであったり、仲間と持ち寄ったNGP(仮)でプレイする「グランツーリスモ」がレース中継さながらにリビングの大画面に映し出されるとか・NGP(仮)で育成した選手をPlayStation3に送り離れた相手と「ウイニングイレヴン」をオンラインプレイできるとか、そういった使い分けです。
一人でプレイする分には据置機だろうが携帯機だろうが大差ないようなタイトルだったとしても、双方をプレイスタイル毎に分化し各々の特長をさらに伸ばすことで、新しいゲーム演出が生まれるのではないでしょうか。

では小島監督は、PlayStation3とNGP(仮)を連携させてどんな「夢」を実現してくれるのでしょうか?
(ちょっと失礼ですが→)小島監督の次回作となると、とうぜん市場が期待するのは「メタルギアソリッド5」でしょう。
ですがココで私が考えたのは、当時MSXで制作されたオリジナル「メタルギア」の再構築です。←リメイクとはちょっと違います。
詳しくはWikipediaあたりをご確認いただきたいのですが、「メタルギア」の舞台となっている「アウターヘブン蜂起」は、ソリッド・スネークFOXHOUNDに於ける初陣とされています。
主人公ソリッド・スネークは、伝説の傭兵でもある総司令ビッグボスの指示によってアウターヘブンに潜入し、消息を絶った最優秀兵士グレイ・フォックスの捜索および最終兵器メタルギアを破壊することになるのですが、コレに矛盾を感じませんか?
FOXHOUND入隊以前のソリッド・スネークはあの有名な特殊部隊グリーンベレーにも所属して湾岸戦争にも出兵していたそうで、相応の技能を持った兵士であることは分かります。
でも、例えば「:ピースウォーカー」でビッグボスが組織していたMSFが300人から成る大組織だったことからしてFOXHOUNDも相当数から成る精鋭部隊だったと思われる訳で、そこのトップの兵士が消息を絶つほど困難であり&人類滅亡に繋がる核戦争の引鉄になり得るほどの大事件を、一介の新兵一人に全て任せるとは思えないんですよね。←ゲームには描かれていませんでしたが、とうぜん別働隊となる兵士が何人も潜入を試みており、最終的に最も活躍したのがソリッド・スネークだったと捉える方が自然な気がします。
また「メタルギアソリッド」をプレイした方なら、ソリッド・スネークが「恐るべき子供たち」計画によって生まれたビッグボスのクローンであることはご存知のことと思います。
「メタルギアソリッド」シリーズには、主人公のソリッド・スネークに加えてリキッド・スネークソリダス・スネークという3人のクローンが登場していますが、「恐るべき子供たち」計画で生まれたのは果たしてこの3人だけだったのでしょうか?←従来作品には登場していませんが、他にも「スネーク」が生まれていた可能性は充分ありますよね。
そんな名もないクローンたちを主人公にすれば、各プレイヤーが自分の育てた「スネーク」を操作した協同プレイも可能になります。ユーザー個々が自分の「スネーク」を持てるのですから、性別や顔貌など基本的な部分は厳しいにしても服装や髪型などを好きにアレンジすることだって出来ますよね。
アウターヘブンには敵兵だけでなく他の「スネーク」もいる訳で、もちろん従来作通り単独でどんどん進めることも出来るかも知れませんが、CO-OPSで協力して障害を排除したり逆に1人の失敗によって他の「スネーク」が窮地に追い込まれたりなんてこともできますし、もっと云ってしまうとネットワーク上の会ったことのない「スネーク」が仕掛けた罠を協同で回避したり、先行して倒されてしまった他の「スネーク」から装備を拝借してしまったりなんてのも面白いですね。←こんなプレイスタイルなら従来の「メタルギア」にはなく、そしてNGP(仮)とPlayStation3の特徴を活かすことも出来そうです。
なお最後にひっくり返してしまいますが、このアイデアであれば、例えばソリッド・スネークの遺志を継いだ新たな「スネーク」達を主人公に次の時代の話を創造することも出来ますので、下手にシナリオ制約のある「メタルギア」に拘らなくても良いかも知れませんw

…どうでしょう?コレは飽くまで小島監督の発言を元に思い描いた私の妄想なので的中するとは限りませんが、こんなゲームであればPlayStation3とNGP(仮)を棲み分けつつ連動したシナリオをプレイできるのではないでしょうか。
今年のE3で何か発表されるようで、実際のところは6月の発表を待たねばなりません。

これは名越氏や小島監督だけに向けたものではありませんが、そんなPlayStation3とNGP(仮)の両ユーザーが楽しめる作品が生み出されることを、期待して待ちたいと思います。
タグ:NGP PS VITA PS3 妄想
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