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PlayStation2エミュレートに光明?←NO!! [雑記]

一見すると期待を持たせるようなタイトルだったので恐縮ですが、「←NO!!」と書き足している通り、私自身はまだまだ現実性に欠けていると考えている話題です。

毎度お騒がせGigaZiNEに、「新型PS3でPS2互換を実現する最終兵器か、『互換アダプタ』の詳細が明らかに」という題の記事がupされていますが、(失敬ながら→)今回はこの記事にケチをつけさせていただきます。


この記事はSCEIが昨年2月に申請した特許「互換アダプタおよび互換処理方法」を元にPlayStation2エミュレータの可能性を述べられているのですが、その期待を持たせるタイトルとともに、ご丁寧にも太字で
>「互換アダプタ」はPS2(旧世代ゲーム機)の処理機能と互換性があるもので、PS3(新世代ゲーム機)とのUSBおよびLANケーブルを用いた接続に対応。そしてPS3で読み込まれたPS2ソフトのデータは互換アダプタで処理されるため、結果としてPS3でPS2ソフトを遊べるようになる
と煽ってくれているのですが、その直後に
>互換機能が欲しいユーザーだけが別途アダプタを購入するという仕組みにするのも1つの手ではあると思われますが、はたして今後、製品化されて日の目を見ることはあるのでしょうか。
と軽くエクスキューズを入れちゃってくれています。
こんな記事の書き方では、斜読みされると「ついにPlayStation2エミュレータが実現する!」って勘違いされてしまいそうです。

確かにこの特許に示された方法であるならば、PlayStation3とアダプタ間でやりとりされるのはソフトの読込データ・ユーザーの操作入力信号・SD映像および音声のみですから、USBの転送帯域でも充分フォローできそうです。
PlayStation2のGPU「Graphics Synthesizer」とPlayStation3のGPU「Reality Synthesizer(公式リンク消失)」の仕様の違いを起因として困難を極めている、(初期モデルを除く→)PlayStation3上のPlayStation2エミュレートは最も現実的に実現できる可能性はあります…が、
その為には件のアダプタにインターフェイスを除くPlayStation2基幹機能を全て内包する必要があり、つまりそれは直接遊べないだけで「PlayStation2そのもの」と云えるものになると云うことです。

もっと噛み砕きましょう。もう1台PlayStation2を購入することと殆ど変わらないと云うことなのです。

これはユーザー個々によって要望のレベルが異なる話にはなりますが、PlayStation3でPlayStation2ソフトが楽しめることって、所詮はオマケ機能であるはずなのです。「できれば嬉しいな」ってレベルのはずなのです。
なぜなら、PlayStation2はご存知の通り前世代で最も普及したハードで、PlayStation3オーナーの多くは(処分された方も居られるでしょうけれど→)手間を惜しまなければ既にPlayStation2ソフトを楽しめる環境をお持ちであるはずなので、それをPlayStation3で楽しめるメリットは、逆にその手間が減ることくらいなのです。
片付けてあるPlayStation2の代わりにもう1台PlayStation2を購入するユーザーがどれくらい居られると思いますか?
既に要らなくなってPlayStation2を処分されている方やもともと購入されていない方が、今さらPlayStation2ソフトを遊びたいと切望するはずもなし、そうなると、非常にニッチな需要しか見込めないことは既にSCEIでも気付いているはずで、すぐにリリースされるとは到底思えないのです。

じゃ何でそんな特許を申請したのかって?←そんなの判りませんw
ただ云えることは、競争の厳しいこの業界に於いて、少しでも可能性のあるアイデアは全て特許申請しておくのが常識のようです。
例えばラインを維持するためにPlayStation2フォーマットの延命が必要になったとか・将来PlayStationストアでPlayStation2ソフトのデータ販売を行う計画があるとか・次世代PlayStationでは従来機のエミュレート機能をオプション扱いにすることが検討されているとか、本当の理由は判りませんが、素人でも幾つか思い浮かびます。

要は次の一手のために特許申請されてはいるものの、それは、必ずしも実現するとは限らない選択肢のひとつに過ぎないと云うことです。
(特にSCEIは特許がらみで過去に痛いメに遭って(≒問題を起こして)いますので、なおさら特許申請に積極的になっている可能性もあります。)

次の一手を執る段になって、そのアイデアが既にライバルに特許申請されてしまっていたとしたら、その手段は追加で特許使用料が発生したり先行するライバルに追随することを表明してしまうことになりますし、ライバルの特許を回避することで企画開発の自由度を失う可能性もあります。
また特許申請は(全てではないにせよ→)手の内を明かすことにもなるので、本命のブラックボックス的なアイデアが別にあったり、敢えて採用する気のないアイデアも特許申請しておくことで動向を探ってくるライバルを牽制するような、諜報戦的な側面も当然あるでしょう。

世代交代に於いて勢力図が大きく描き替えられる可能性があることは既に初代PlayStationニンテンドーDSが証明しており、それは市場の需要を読む洞察力に併せて質と早さを伴わねば実現できません。
次世代機開発に於けるそのアイデア(=情報)は、その業界の動向を大きく左右する重要なもので、その戦略に於いて特許申請が利用される場合もあるということです。
…もちろん此度の特許がPlayStation3用オプションのアイデアである可能性もない訳ではないですが、今後の展開を予測すると、PlayStation3があと5年はフラッグシップとして現役続投する前提でない限り、申請時期が遅過ぎる気がします。

過去の記事や文末のエクスキューズからしてそれらの事情を解っているはずなのに、GigaZiNEは毎度毎度 情報に乏しいユーザーを煽って閲覧量を稼いでいる気がしたもので、ついついケチをつけたくなっちゃいました。
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