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オンライン流通#1 [サービス]

「~3rd」発表の興奮も覚めやらぬまま、こんどは「モンスターハンター・ポータブル2ndG」に動きがありました。
もともと「~2ndG」はUMDという光学メディアで販売されていたのですが、SCE直営のオンラインショップ「PlayStationストア」で明18日からダウンロード販売され、それに併せたキャンペーンが実施されるそうなのです。
ちなみに以前「ファンタシースター・ポータブル2」で実験していたのもダウンロード販売です^^;


さてせっかくの機会ですので、今回はそのダウンロード販売について書いてみます。

そもそもダウンロード販売とは何でしょう?
それを述べる前にゲーム機の歴史を述べたいのですが、そんなことをするとかなぁり長くなりますので「Wikipedia」に譲るとして、今回話題の流通形態に視点を絞りますと、従前ゲームソフトの流通媒体と云えばマスクROMと光学メディアでした。
マスクROMとは、古くはファミリーコンピュータやスーパーファミコン・現役ですとニンテンドーDSシリーズが採用している半導体メモリを媒体としたもので、
光学メディアとは、PCエンジンCD-ROM2システムやPlayStaionシリーズ・現役ですとWiiやXBox360も採用しているCD・DVD・ブルーレイディスクなど・そしてPSPの場合はUMDを媒体としたものです。
つまり従前のゲームソフトは、ゲームデータを記録された媒体を介して流通していたのです。
それに対するダウンロード販売は、ゲームデータそのものを、インターネットなどのインフラを介して直接販売する流通形態です。
なお昔 任天堂が、特約店や一部のコンビニでデータ販売を試みたことがあります。
それは店舗に設置された什器からユーザーの持ち込んだ磁気ディスクやフラッシュメモリにゲームデータを書き込むスタイルで、その流通には光学ディスクが用いられていたようで、ダウンロード販売の前身的に捉えることができます。

各々メリットとデメリットがあり、
マスクROMは此度のなかでは最も歴史があり最多普及量を誇るDSが採用していることで未だ現役の流通形態です。
筐体に媒体を挿すだけで起動が可能でアクセスも早く消費電力も抑えられるのですが、半導体を用いるために生産に相応の納期なり在庫確保を要し、そのため容量あたりの単価が高額になる傾向があります。
光学メディアは現状最も主流を占めており、まさにマスクROMの対極にある流通形態です。
基本的に熱可塑材をプレスするだけですので生産性が良く、またCDは約640MB・DVDは約8.5GB・ブルーレイは約50GB以上そしてUMDは約1.8GBの大容量を安価に収めることが出来るのですが、筐体にドライブ装置を要し、物理的にデータを読み出す(後述)必要があるためアクセスが遅く消費電力が高くなりがちです。
ダウンロード販売は広帯域通信が一般的になったことで本格化した、最も新しい流通形態です。
物理的に流通するメディアがないので、流通やパッケージなどの間接コストを必要とせず基本的に「品切れ」「在庫」もありません。ただし筐体にそれなりの記憶容量を確保する必要があり、また購買側でネットワークインフラを準備しておかねばならず、ベストエフォート型が主流の現状インフラでは環境によってダウンロード時間に差が生じてしまうデメリットがあります。
そうそう、私は斯様な習慣がないのですが、遊び終わったソフトを中古屋に転売できないこともデメリットに数えられますね。

さて、これでダウンロード販売が、従前と大きく異なることがお解りいただけたでしょうか。


話を戻します。
PSPソフトがダウンロード販売化されるとどうなるのでしょう。

まず一番簡単なところですと、UMDドライブのないPSPgoでも「~2ndG」が楽しめるようになります。
その発売以来不振の続いていたPSPgoにとって、PSP市場最強のコンテンツが楽しめるということは、何よりの援軍でしょう。
本来ならPSPgoの発売に併せて欲しかったとは思いますけれどね。正直 今さら感は拭えませんA^^;

次はPSPユーザーにとってのメリットです。
幾つもある中から特に大きなメリットを挙げると二つ、上記でも述べた読込み時間の短縮と連続稼働時間の延長です。
この二つは、共に同じ理由によって実現します。
まずUMDソフトの場合は、ディスクを回転させ&目的データのある位置までヘッドを移動させ&回転速度を調整し&レーザー照射による反射の変化をデータとしてワークメモリに読み取る必要があります。
対するダウンロード版は、メモリースティックDuo(PSPgoの場合は内蔵メモリ)にデータをインストールしてありますので、マスクROMのように電気的な信号のやり取りでワークメモリにデータを直接読み取ることが出来ます。
専門用語(?)が判り難かったら、PSPを図書館に例えると解り易いかも知れません。
ワークメモリを机に例えると、UMDは書棚・メモリースティックDuo(PSPgoの場合は内蔵メモリ)はカバンです。
調べものの度に席を立ち書棚で文献を探して席に戻るのと・カバンから文献を取り出すのでは、どちらの方が効率が良いのか明らかですね。
ダウンロード版ソフトの方が読込み時間が短く&電力消耗が少ないことで連続稼働時間が長くなる理由はコレです。

しかも昨今はUMD容量を遥かに凌ぐ大容量メモリースティックProDuoが、かなり安価で入手できるようになってきていますので、書棚よりも大量の文献をカバンに納められるようになっています。
つまりUMDを何枚も持ち歩かずとも、PSP上の操作で手軽に複数のソフトを楽しめるのも、ダウンロード版のメリットです。

それともうひとつ。
これはPlayStationに限って云えることなのですが、同一アカウントで購入したソフトを、最多5人でシェアできてしまうのです。
例えば家族が揃ってひとつのアカウントをシェアすれば、1本の購入で皆が同時に同じソフトをプレイできてしまうという、まさに最大のメリットがあるのです。これは魅力的ですよね。

なお、最多5人と申し上げた通り、この上限を超えたシェアは不可能です。
そのため、例えばクラスや職場の仲間にソフトを配ったりとかしようとすると、すぐに規定数の上限に達してしまいます。
規定上限に達したまま例えば自分のPSPが壊れて買換えた際に、新しいPSPにはそのソフトが…それだけじゃありません。今まで購入した全てのダウンロードソフトがインストールできなくなってしまう虞があります。
古い方のアカウント認証を解けば新しい方にインストールできるようになりますが、とうぜん古い方は、例え修理しようとももう前のソフトでは楽しめません。
これは仲間のPSPにも云えることで、認証中はプレイできますが、認証解除した時点で、インストールされているソフトは全て起動不能となり、ゴミファイルとなることを覚えておいてください。仲間と割勘で購入して安く上げようとは思わない事です。


さて、実はこのダウンロード版による販売が行われるようになった背景には、メーカーと流通と小売りによる永年の慣習も関係しており、そのなかには、ダウンロード販売のデメリットも含んでいるのですが、これを語り始めるとまた更に長くなるので次の機会にさせていただきます。
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