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「SUICIDE SQUAD」 [(ネタバレ注意) プレイ日記]

「SUICIDE SQUAD(≒スーサイド・スクワッド)」見てきました。←直訳すると「自殺(≒suicide)部隊(≒squad)」、意訳すると「決死隊」といったところでしょうか。
「決死隊」と申しますと大戦中に旧日本軍がとった凄惨な作戦であったり中東情勢の責を欧米に求める狂信行為が思い浮かびますが、「SUICIDE SQUAD」からはそんな悲壮感は感じられません。
それもそのはず「SUICIDE SQUAD」の主人公たちには生命を賭して守るべき「」がなく、何れもBatmanThe Flashなどのヒーローに捕縛された犯罪者たちなのです。
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少し話が逸れますが、皆さんは「MARVEL'S THE AVENGERS(≒アベンジャーズ)」というシリーズ映画をご存知でしょうか?
「MARVEL'S THE AVENGERS」はアメリカンコミックの雄MARVELコミックを代表するヒーローたちがタイトルを越えて協力する組織のことで、そのクロスオーバーコミックを原作としています。
マーベルコミックと双璧を為すDCコミックスにもSupermanやBatmanを筆頭とするヒーローが数多在籍しており、彼らにもAvengersと同様タイトルを越えたJustice Leagueという組織があります。Suicide SquadはそのJustice Leagueの対となる怪人の組織ということになります。
日本でもウルトラマンが勢揃いしたり仮面ライダースーパー戦隊が共演したりしてますよね?私が子供の頃だとアニメでもやってましたw

正直なところ私はアメリカンコミックに然程 造詣が深い訳ではなくJustice LeagueやSuicide Squadの呼称は認識していなかったのですが、数年前にこのブログで紹介した「DC UNIVERSE ONLINE」をプレイしたことで、「SUPERMAN」や「BATMAN」などに登場するキャラクターたちが敵味方に分かれて争っている設定があることは存じておりました。
まぁ「DC UNIVERSE ONLINE」は此度の映画より遥か後または異なる時間軸のようで気にする必要はないですし、さらに申しますと意訳「決死隊」を意識する必要もないでしょう。そりゃ神に匹敵するSupermanや超兵器を駆使するBatmanなどと対峙するには決死の覚悟が要るでしょうし、そもそも主義主張の異なる彼らをまとめるなら生命に価する条件が要るでしょう。
でも重ねて申しますが彼らにはそんな悲壮感は漂っておらず、Supermanを「超人」Batmanを「蝙蝠侠」Wonder Womanを「ナゾ女」とは訳さないように、Suicide Squadもその意味を意識せず固有の組織名として受け止めた方が受け入れ易いかも知れませんね。

「SUICIDE SQUAD」には今夏上映「INDEPENDENCE DAY: RESURGENCE」を辞退した(?)Will Smithがかなりイケてる暗殺者Deadshot役で出演していてメンバーの中心的役割を果たしているのですが、でもやっぱり一番目立ったのはMargot Robbie演じるHarley Quinnじゃないでしょうか。
Harleyは1990年代に放送されていたアニメシリーズで初登場したキャラクターだそうで、正直なところ私には馴染みがなく、「SUICIDE SQUAD」を見る前まではBatmanの宿敵であるJokerに付き纏う役立たずのピエロのようなイメージしかありませんでした。
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対して「SUICIDE SQUAD」のHarleyは道化からJokerの恋人に格上げされており、その磨きのかかった奔放ぶりがまた魅力的です。
超兵器を剥せば常人であるBatmanと同様、Jokerもその異様な容貌に反してその身体能力は飽くまで常人であり、Harleyもまた常人です。そのため他の怪人のような超常的な能力はありません。
では「SUICIDE SQUAD」に出てくるHarleyは単なるお色気担当かと申しますとそんなことはありません。彼女は自分の欲望に忠実でそのために結果として裏切った仲間を危険なめに遭わせてしまったとしても、ニコリとするだけで許されるという実に恐ろしい(?)特技を備えています。
「SUICIDE SQUAD」の初登場シーンで彼女は幾重にも重ねられた牢に囚われているのですが、それはJoker対策ではなく彼女の色香に惹かれた看守が逃がしてしまわないように対策を施されているのではないかと思われます。

さて獄中のならず者が意に反して寄せ集められたSuicide Squadですが、彼らは何の目的で力を合せることになるのでしょう?
脱獄してSupermanやBatmanたちに復讐するため?←違います。


この「SUICIDE SQUAD」ですが、実は「もしかしたら」の予感が的中したシリーズ作品のひとつでした。
上述で「MARVEL'S THE AVENGERS」シリーズを例に挙げた根拠にも含まれるのですが、「SUICIDE SQUAD」は、「SUPERMAN」をリブートさせた「MAN OF STEEL」・そのクライマックスの戦闘により甚大な害を被ったBruce Wayne(=Batman)がSupermanに闘いを挑む「BATMAN V SUPERMAN: DAWN OF JUSTICE」と世界観を共有したDC Extended Universe(DCEU)シリーズの3作目にあたります。
このブログでは紹介し忘れておりましたが、私は共に有名な正義のスーパーヒーローがなぜ闘うことになるのか敢えて予備知識なく今春に「BATMAN V SUPERMAN」見に行っておりまして、その序盤で異なる視点ながら見覚えあるエピソード(≒数年前にたまたま見ていた「MAN OF STEEL」のクライマックス)が出てきたことで「あれ?」と。つまり私は「BATMAN V SUPERMAN」が「MAN OF STEEL」の続きの話だとは識らずに見に行っていたのです。
さらに申しますとWonder Womanを筆頭に幾人かのDCヒーローが伏線として登場してきたことで、ようやく副題「: DAWN OF JUSTICE」が敢えて「: 正義の夜明け」ではなく「: ジャスティスの誕生」と意訳されていた理由に気付けました。
この「ジャスティス」は上述したJustice Leagueのことを指していて、BatmanとSupermanが激突しそこにWonder Womanも参戦したことでJustice Leagueの中核を為すメンバーが揃う映画だったのです。←その観点から申しますと「BATMAN V SUPERMAN」のタイトルは、本題よりも副題「: DAWN OF JUSTICE」こそが重要な意味を持っていたのです。
「SUICIDE SQUAD」は、「MAN OF STEEL」「BATMAN V SUPERMAN」で起きた事件を経験したことで外宇宙に高度に発達した文明が存在することが公になり、Supermanのように人智を超越した宇宙人が悪意を以て地上に現れ人間社会に害を為す可能性を懼れた政府が、毒を以て毒を制す抑止力としてSuicide Squadを組織する←というのが本スジです。
個人的繋がりとは申せ警察と協力関係にあるBatmanは人間ですし常識が通用しますが、対するSupermanは人知を超えた能力を備えているため為政者からは気分次第で脅威ともなり得る制御不能な存在と見做されてますからね。
同じく人知を超えたWonder WomanやThe Flashたちはまだ公に識られていない様子ですが、「BATMAN V SUPERMAN」ではLex Luthorが秘密裏に調査していたと思しき描写がありましたし、「SUICIDE SQUAD」では政府組織の重役がその資料を所持していましたから、本シリーズの政府が懼れたのは行動に左右されない全ての超人(←作中では「メタヒューマン」と呼称)ということになります。
ヒーローをヒーローたらしめているのは大衆であり怪人を怪人たらしめているのも大衆です。以前「DRACULA UNTOLD」の感想を述べた際にも申し上げましたが、故国では救国の英雄と奉られても立場が違えば殺人鬼なのです。何れも自身の信条を基に超能力を行使しているという観点から見れば、ヒーローも怪人も同じと捉えられてもおかしくありません。
そのためSuicide Squadのメンバーは量刑よりも能力によって政府または軍の厳重な監視下におかれており、どちらに転ぶか判らない未知の超人に対する備えとされている訳です。つまり本作を極論すれば怪人がヒーローとして奉仕活動させられる映画とも表現できます。


さて超人への対抗力として集められた怪人が奉仕活動で何をさせられるのか?に話を戻しましょう。
猟犬を猛犬と区別し猟犬たらしめるためには主従関係を結ぶ必要があるのですが、首輪は意外と効きません。公務に就かされたとは申せそもそもは社会の枠組みに収まらない特殊能力者ばかりすから脱走はお手の物で、減刑を提示されても素直に従うとは限りません。むしろその能力によってバケモノ扱いし疎外した社会に恨みを抱いている者さえいるのですから、そんな彼らを納得させるのは容易ではないのです。
手取り早いのは彼らに自分たちと共通した敵を認識させることなのですが、Supermanにその役を担わせるのは本末転倒ですよねw←ネタバレになるので具体的な表現は避けますが、「SUICIDE SQUAD」にはSupermanとは別の「」が登場して共通の敵となってくれます。が、それでも結託してくれませんw
「じゃどうすんの?」って?←それを教えたらネタバレじゃないですか。もちろん最後はチームになってくれますが、どうやってチームになるかが本作の醍醐味ですから、ここまで引張っといて申訳ないですが敢えて伏せさせていただきます。


また「SUICIDE SQUAD」では、「BATMAN V SUPERMAN」のラストでDiana(=Wonder Woman)と話していた通り、志を同じくするヒーローを探し求めているBruce Wayne(=Batman)が次作以降への伏線として少しだけ登場します。なおSupermanの宿敵Lexも獄中のはずですが彼は此度の監視対象には落選してしまったようで、「SUICIDE SQUAD」には登場しませんでした。
この先Suicide Squadのメンバーがそのまま素直に政府の手先になるのか本来の職務を全うし犯罪者に戻るのか、それは次々作辺りで明かされることになるのでしょう。
ちなみに次作は「BATMAN V SUPERMAN」でも大活躍した「WONDER WOMAN」が来年の公開を控えており、しかも2020年までに少なくともあと7本が計画されているのだそうです。
このレベルの大作シリースが平均2本/年ペースで公開されるってのはかなりのハイペースですが、そこはさすが名門DCコミックスといったところでしょうか。楽しみです。
タグ:DCEU
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