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NGP(仮)のPSPエミュレートについて [ハードウエア]

PlayStation Meeting2011」の発表に於いて「モンスターハンター・ポータブル3rd」によるデモンストレーションが行われた通り、NGP(仮)はPSPソフト(ダウンロード版)をエミュレートできるそうです。
このことについて、有名アナリストの後藤弘茂氏が記事をupされていましたので、今回はこの記事について私見を述べたいと思います。

この記事によりますとNGP(仮)のPSPエミュレートは、ハードウエアではなくソフトウエアレベルによるエミュレートになるようですね。
以前SCEIのリクルートページにエミュレーター開発スタッフの募集を告知されて「PlayStation3PlayStation2エミュレートが復活する?」「もしかしてPlayStation3でPSPソフトも遊べるようになっちゃうの?」なんて話題になったことがありますが、その一環として此度エミュレーターも含まれていたのかも知れません。

気になるのは、結局ハードウエアエミュレートでようやくPlayStation2エミュレートを実現していたPlayStation3の姿が、PlayStation2以上と謳われたPSPをエミュレートしようとするPlayStation3並と謳われているNGP(仮)とダブってくることです。
もっともPlayStation2の場合は特異な事情がありまして、
・VRAMの容量不足を高速書換で補う設計となっており、その転送速度が48GB/秒(PlayStation3は22.4GB/秒)と現代でも相当な広帯域仕様であったこと
・PlayStation2以前はソフトウエアライブラリ等もゲームソフト内に収められていた
・SCEI製ライブラリの整備が追い着かずハードウエア仕様を公開されてしまったために、各ベンダーがハードウエアレベルで叩いた独自ライブラリを開発してしまっており、その結果 新旧PlayStation2同士でさえ整合性を取り難いソフトが市場に氾濫していること
がエミュレートの敷居を高めていたのに対し、PSPは最初期よりSCEI製のシステムソフトウエア上でソフトを実行していたと思えることから、PlayStation3上のPlayStation2エミュレートよりは敷居が低いと思えます。
後藤氏も述べられている通り、エミュレータでの動作で問題が出たタイトルに対してはNGP(仮)用の対応パッチを提供すれば済む訳で、パッチ当てが比較的容易なダウンロードタイトルであれば最悪でも個別対応が可能だと思われます。
後藤氏は後方互換性の検証と修正作業がSCEIの開発現場に負担を強いる可能性を指摘されていますが、それは同じく販売によって利益を得るソフトウエアメーカーなりベンダーに任せることも可能なのですから、然ほどSCEIの負担増にはならないでしょう(←最悪NGP(仮)に対応困難なPSPタイトルは「PlayStationストアにリリースしない」という選択肢もある訳ですから;)。

それよりもやっぱり気懸りなのは、UMDタイトルへの対応ですね。
後藤氏の記事にUMDタイトルは切り捨てられるような表現がされていますが、PSPgo発売後もPSP3000の方が圧倒的に売れている状況を見ましても、PSPソフトの主要流通がUMDメディアであることは明らかです。
つまりPSPユーザーの大半はUMDタイトルを購入している可能性が高く、せっかくNGP(仮)がPSPエミュレートを実装してきたところで、NGP(仮)がUMDを読めないということは後方互換を果たしているとは云えないからです。

ではどうすれば良いのでしょう?

まずNGP(仮)には物理的にUMDドライブが搭載されていないのですから、自ずと(UMDドライブとして→)PSPが必要になってきます。
UMDを解除キーにしてPSP(≒メモリースティックDuo)にソフトを無償(または安価に)ダウンロードしようにも、NGP(仮)にはメモリースティックDuo端子がないのですから意味がありません。
PlayStation3なり「MediaGo」を媒介にしようにも、なかにはそれらを所有していないユーザーも居られる訳ですから、不公平の元です。
ではPSPをUMDドライブとしてNGP(仮)にUSB接続し、ゲームデータをインストールする手段は?
これならUMDソフトを所有するほぼ全てのユーザーをフォローできそうですし&データを確実に移行できそうですが、改造ファームウエアをインストールされたPSP上のISOデータも対応できてしまいそうですし、そうでないにしてもデータを吸出されたUMDが中古市場に大量流出して、そのUMDはユーザーを転々としながらデータを吸出され続けることになりそうですね。←これでは現状の違法流通と変わらず、メーカーが許すはずがありません。
以上だけだと、NGP(仮)にUMDソフトを書込むのは不可能で、ダウンロード版を改めて買い直さないとNGP(仮)に自己資産を引継ぐのは不可能のように思えてしまいます。

でも、そうでもないのです。

ここからは例によって私の妄想の範疇なのですが、
改造ファームウエア上のISOデータや中古流出を抑止しながらUMDからゲームデータを吸出させる手段が、二つの手順を経ることで実現可能なのです。

まずその一つ目は、PlayStationスポットで配布されている簡易体験版と類似の手段を執ることです。
経験者ならご存知かと思いますが、PlayStationスポットでダウンロードした簡易体験版は、スリープによる中断は可能ですが、電源OFFを含め一度でも終了させてしまうと消失するように出来ているのです。
この方法であれば、例えば複数のソフトを並行して遊ぶ場合やゲームの合間に別の機能を使用した場合に、改めてUMDからインストールしなければならなくなりますので、そのソフトが要る限りUMDを所有し続けねばなりません。
でも1GBを裕に越えるソフトが大量にあるというのに、毎度毎度何十分も要するインストールを強要するのは現実的ではないですね。
でも一度インストールしたソフトの本体をNGP(仮)のストレージに保管しておき、終了後の再起動は接続したPSPに挿したUMDを解除キーとして用いる手段を執れば、二度目以降のユーザー負担はグンと減るはずです。
でも、改造ファームをインストールされたPSP上のISOデータは、データ上はUMDソフトを挿しているのと同様の挙動を示すと思われるため、万全であるとは申せません。

そこで重要になってくるのが、二つ目の手順です。
この手順のミソは、NGP(仮)が携帯電話の3G通信にも対応しており、どこでもネットワークに繋げるということです。
UMDを解除キーとしてソフトを起動させる際にNGP(仮)をネットワークに接続させて、PSPも含めて最新システムにアップデートされているのかチェックさせるようにするのです。
改造ファームが最新システムより新しくなることは事実上あり得ませんし、もしも最新ファーム以降のバージョンを偽装されてもチェックで弾けるはずです。
またそれ以前に、斯様な偽装パッチは私的複製の範疇を越え著作権侵害の幇助にあたりますから、ハッカー諸氏は迂闊に手出しすると両手が後に回ってしまいますので、抑止も可能なはずです。
外出先に何本もソフトを持出したいユーザーにとっては少々面倒かも知れませんが、でも不心得なユーザーがいることを思えばこの程度の負担は仕方ないでしょう。
いつまでもPSPソフトを楽しみたいユーザーはPSPで楽しめば良いのですし、いずれNGP(仮)用に楽しめるソフトが増えてくれば、PSPエミュレートの必要性は薄れてくるはずです。
オンライン認証に際してNGP(仮)での使用に問題のあるPSPソフトが発見されれば、その最新パッチを自動ダウンロードするようにしても良いですね。

まぁ利便性を考慮するのなら、PlayStationストアでも併売されるタイトルはそちらを優先的に購入しておいた方が良いのでしょうけれど、記事中の平井CEOが仰っていたように、なるべく多くのPSPのタイトルがPlayStationストアにupされることを祈らねばならないというのは変わりません。
ちなみに私は、「ファンタシースター・ポータブル2インフィニティ」や「ファイナルファンタジー零式」は勿論のこと、既にUMD版を所有する「モンスターハンター・ポータブル3rd」もupと同時にダウンロード購入する所存ですが、できればユーザー側ではなくメーカー側で、なるべく負担なく対応して欲しいものです。
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